自分としては、今まで組込みファームウェアというクローズソース系の世界にどっぷり浸かっていたわけで、このようなオープンソース系の会合に顔を出すのは初めての体験でした。
かなり大きな衝撃を受け、世界観が変わったので、まずはその辺りを書きたいと思います。
大きな産業構造変革の波を目の当たりにしました。要点は2つあります。
一つは、既存の日本を支えてきた企業に属しない、平成に近い生まれの若者たちが、率先的に自発的に確信を持って自分を主張する、という世界が広がっていた、ということです。
とかく既存企業に属する場合、年功序列的な構造により、若者が中心となって物事を引っ張っていくという考え方が存在しません。長年の功績がある・ないに関わらず、時間を費やした人間が上に立ち、ビジネスを重鈍に進めていく体制なのです。それが今までの高度経済成長を支えてきた日本のアウトプットになっているわけです。
対してこの会合では、そんなことはお構いなし、どんどん自分たちのアウトプットを公表し、それに賛同する人たちを集めていきます。そこで新たなコミュニティが発生し、発想を育てていくシステムが構成されていきます。
もう一つは、上記にも関連しますが、日本人のマッシュアップ能力の高さです。
この会合では、堂々と若者たちが自分の技術を競い合い、主張し合い、採り込み合うことによって、新たな技術を構築していく正のスパイラルが形成されています。これがビジネスと融合される時、それは凄まじい勢いで新たな産業を構築していくことは想像するに難くありません。なにしろ、上の人間のどうしようもない言い分に囚われず、次から次へと彼らが考える良いものをアウトプットしていくわけですから。
若者たちが世界レベルで実現された技術を凄まじいエネルギーとスピード感を持って進化させていきます。既存企業の人間が1週間掛けてえっちらおっちら進めるところを、たったの数時間で実現してしまう能力を発揮します。各々尖った専門性を持った集団が、一つのテーマを短期間でマッシュアップして実現するという形態を採るところに特徴があります。
若干前振りしたいと思います。
この会合は松本でしたので、せっかくなので会合に参加する前に松本城に行きました。そこには当時の技術の粋を集めた展示が数多くありました。特に城の建築技術と鉄砲の製造技術に魅せられました。既存の材料をベースに新しい技術を構築・発展させる日本人固有の器用さが十分に見ることが出来る展示でした。
特筆すべきは、この時代にマッシュアップを実現しているのです。特に鉄砲です。種子島に鉄砲が伝来して以来、日本人は外国の技術を見よう見まねで吸収し、発展させていきます。各藩各様の鉄砲が製造されていくのですが、中には鉄砲の本質を忘れ、装飾美に酔ってしまうものもあれば、機能美を徹底的に追及したものもあります。今の岡山、当時は備前藩と呼ばれていましたが、ここの鉄砲は機能美に優れ、愛好家には垂涎の的となっているそうです。そのような鉄砲を日本人のオリジナリティを持って実現してしまうところに驚愕を覚えます。
話を戻して、今の若者は正にこれを実現しているわけです。世界で発明された技術を更に改善するべく、参加者により次々改良が加えられていきます。それが3日間という短い時間軸の中で実行されるところに日本人の本質が見え隠れします。一体日本人の器用さはどこから来るのかはわかりませんが、それは今の若者にも脈々と息づいています。なんて可能性に満ちた光景でしょう!
この二つの観点から、私は明治維新の再来を確認しました。
明治維新では、黒船が到来してからというものの、凄まじい勢いで当時の情勢・政治・経済を変革することになるわけですが、これが全く現在の日本のテンプレートになっている気がするのです。当時、江戸幕府は海外のアクセスに対し非常にのんびりとした対応を採っていたのですが、各藩の下位に属する人たちは敏感に時代の変化を捉えていました。御上のことなどは置いておいて、意図せずなのかも知れませんが、自分たちが世の中を変えていくエネルギーを放出することで時代を変革することになるのです。
このような形が、今の日本にも感じられました。恐らく、産業構造の変革を通して、経済経由で政治変革に繋がっていくことでしょう。時代がそれを求めています。言ってみれば、平成維新という言葉になるのかも知れません。
これからの時代は、ITという基軸を元にした若者が中心となって日本を牽引していく構図となるのでしょう。既存の構造を変えなきゃダメだ、と有識者が唱えるまでもなく、時代は自然と必然的に移り変わっていきます。実は何の不安もないのだと確信したここ数日でした。

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